自己肯定感とは
そもそも、自己肯定感って何だろう?
自己肯定感とは、読んで字のごとく、ありのままの自分を肯定して、尊重する感覚のことです。
他人と比較しない。
自分の長所に焦点を当てる。
社会の中で、自分の長所を生かすことを考える。
人からの評価を必要以上に気にしない。
自分の存在だけでなく、他人のことや、起こる出来事に対しても肯定的な思考を持っている。
失敗を恐れずに、様々なことにチャレンジできる。
主にそんな特徴があります。
自己肯定感は高くなければいけないという風潮
「自己肯定感」と聞いたときに、誰しも思いがちなのは、自己肯定感が高いことが良いことで、自己肯定感が低いのは良くないということ。
いろんなセミナーや書籍も、こぞって自己肯定感を上げましょうという内容ですね。
「私、自己肯定感が低いんです」というセリフを、これまで何人から聞いたことか。
でも、生まれつき自己肯定感が低い人なんていないんです。
自己肯定感が低い、というのは後付けされた概念です。
こういうタイトルにすると、書籍がよく売れるという大人の事情もあるようです。笑
人はいつから自己肯定できなくなるの?
あなたが赤ちゃんだった頃は、自分の全てを肯定していた
赤ちゃんだった頃・・・
まだ自己肯定感なんていう言葉の存在も知らなかった頃。
あなたのご両親はおそらく、「寝返りができた~!!」と言っては記念写真を撮り。
寝返りができなかったとしても、「頑張ってる!!かわいい~!!」とまた写真を撮り。
「歩いた!!」と言っては褒めちぎり。
「転んだ!!」と言っては抱き上げてきたんじゃないかと思います。
ほとんどの親って、そうやって子どもを育てています。
アルバムでも見ながら、その状況をつぶさに想像してみてほしいのです。
赤ちゃんの頃のあなたは、寝返りができない自分を責めたりはしなかったよね。
転んでも何度も立ち上がることに挑戦していたよね。
諦めずに立ち上がり、転ぶことを失敗だとは認識していなかったから、今、立って歩けているんです。
「寝返りがうまくできない自分なんて価値がない」とか、「何度も転んでばかりで、私はダメ人間だ」なんて、赤ちゃんの頃のあなたは、微塵も思っていなかったはずなんです。
ご両親だって、人より何かを上手にできるかどうかなんてことよりも、ただ愛しくて可愛くて、あなたの姿を写真に収めていたのだと思います。
いつから自己肯定感が下がり始めたんだろう
じゃあ、いったいいつから「うまくできない自分には価値がない、ダメだ」と思うようになってしまったんでしょうね。
私自身のことを振り返ると・・・
保育園に通い始めてから、他の子と自分を比べる、ということを覚えました。
隣の席の〇〇ちゃんは絵をかくのが上手。
私は上手に書けない。
〇〇ちゃんは、小学校に入ってないのに、もう字が読める!!
私はまだ全然読めない・・・
〇〇ちゃんは、いつもお姫様みたいなヒラヒラが付いた可愛いお洋服を着てる。
私は膝に穴が空いていて、それを隠すためのワッペンが付いたズボンを履いてる!!
意識が他人に向くようになってからなんですよね。
ご両親も、我が子の発達を見ながら、〇〇ちゃんはもうオムツが取れたのに、うちはまだ・・・と、いつしか他の子と比べてしまうようになっていって・・・
親も子も、〇〇ちゃんみたいに・・・と欲が出てきてしまうから、そこで自己肯定感が落ちていく現象の始まりです。
意識が他人に向くということは、社会性が育ってきたと言うことでもあるので、それはそれでとても大切なことです。
人と比べて「負けたくない」と思うからこそ、人は向上することができるから。
けれど、必要以上に囚われてしまうと、「〇〇ちゃんのようにできない私はダメだ」という思考になってしまうんです。
その〇〇ちゃんだって、もしかしたらあなたのことを羨ましいと思っているかもしれないのに、隣の芝生は青く見えるとは、まさにこのことですよね。
自己肯定感は上げなくてもいい、ネガティブもあっていい
ポジティブとネガティブ
私のところにカウンセリングやセッションに来る方の多くは、自己肯定感を上げようと、既に様々なセミナーを受けたり、学んだりしてきた人たちです。
それなのに、かえって自己肯定感が落ちてしまったという人が多いのです。
人はそもそも、ネガティブとポジティブ、両方持っています。
陰陽の法則であり、宇宙の法則なので、これは例外なしです。
どちらも必要だから、私たちにはポジティブもネガティブも感じられるようにできています。
けれど、育ってきた環境、生まれ持った特性、潜在意識に刷り込まれてきたものなどによって、一人一人、表出される割合が違います。
いつでもポジティブ全開!!のパワフルな人もいれば、いつでもネガティブ全開、息も絶え絶えの人もいます。
ポジティブだから自己肯定感が上がり、自己肯定感が上がるからポジティブになる。
ネガティブだから自己肯定感が落ち、自己肯定感が落ちるからネガティブになる。
これはもう卵が先か、鶏が先か?くらい、どっちがスタートか、曖昧なんです。
ポジティブもネガティブも、どっちも必要だけど、どっちが生きやすいかというと、やっぱりポジティブで自己肯定感が高いほうが生きやすいんですよね。
だから巷には、自己肯定感を上げるための情報、ポジティブになるための情報が溢れています。
自己肯定感を上げようとすればするほど、自己肯定感が落ちるという罠
カウンセリングやセッションに来る方は、とにかく頑張り屋さん。
自己肯定感を上げようと頑張っているし、ポジティブであるべきだと頑張っています。
けれど、そこに意識が向くほどに、ふと自分の中にネガティブ感情が湧いたときや、自分を認めてあげられないような出来事があったときに、「こんなネガティブじゃダメだ!」「やっぱり自己肯定感が上がっていかない私はダメなんだ!」と、自らの価値を落としてしまうんです。
これ、自ら罠にハマりに行ってるようなものなんです。
自己肯定感は上げるものではなく、思い出すもの
本当の自己肯定感って何かというと、「ネガティブな自分にもOKを出してあげられること」なんです。
「ネガティブ感情は持っちゃいけない」「ポジティブなほうがいい」
そんなん、どっちでもええやん。
そもそも人間にはどちらも必要だから備わっているのだから、「ああ、今私はネガティブ感情を味わってるんだなぁ。人間らしいなぁ」で良いんです。
そして、赤ちゃんだった頃には、自分を全肯定だったことを思い出せばいいんです。
自己肯定感は上げるものではなく、思い出すものなんです。
長くなってしまうので、また別な記事にしようと思いますが、ネガティブな感情や、ネガティブな体験って、人間の魂が成長する上で、実はすごく大切なんです。
だから、ネガティブだって、あっていいし、思う存分味わえばいいんです。
そして、味わうだけ味わうと、人はちゃんと浮上できます。
それこそ陰陽の法則であり、宇宙の法則。
陰極まれば陽になる、のです。
自己肯定感が低くて悩んでいる方は、落ちている時、落ちている自分を否定しないことから始めてみましょう。
まとめ
・生まれつき自己肯定感が低い人はいない
・赤ちゃんだった頃を思い出せばいい
・他人と比べ過ぎると自己肯定感が落ちる
・自己肯定感を上げることに拘り過ぎない
・ネガティブも大切な要素
「自己肯定感、低いままでもいいか♪」と自分を肯定する。
それこそが、ありのままの自分を認めるということですね。
今日もブログをお読みいただき、ありがとうございました。
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